イスラム教徒とキリスト教徒の対話
気候変動枠組み条約第7回締約国会議に伴う宗教者会議


 2001年10月29日から11月11日まで気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7) が、モロッコ王国中部の都市マラケシュで開催されました。
 日本が強硬な姿勢をとったため、会議終了予定日を過ぎて、ようやく京都議定書の運用ルールに関する合意文書を採択しました。あとは、京都議定書を発効させるための各国の批准を待つこととなりました。

 世界教会協議会(WCC)は、1991年以来、気候変動に関する国連の政府間交渉会議に参加してきました。また、1995年から1年ごとに気候変動に関する国連枠組み条約締約国会議(COP)が開かれるたびに、WCCはエキュメニカルないし諸宗教の催物を開催してきました。1997年の京都でのCOP3の時は、仏教や神道、そしてキリスト教の団体との共催で、諸宗教による催物を行いました。

 今回も会期中の11月3日に、WCCの主催により、「環境と気候変動に関するイスラムとキリスト教の視点についての集会」が行われました。
 
 COP7は、イスラム教が国民の多数派を占める国で行われた政府間交渉会議としては初めてのものです。これによって、気候変動の脅威に取り組むために宗教が不可欠な役割をどのように果たすことができるのかということについて、イスラム教徒とキリスト教徒が対話をする機会がもたらされたのです。 

 WCC代表団のリーダーであるデービッド・ホールマンは次のように語っています。 「宗教や教会が気候変動問題に取り組むことは不可欠です。教会の関わりは、神がこの世をお造りになり愛してくださっているという私たちの信仰に起因するものです。 私たちが信じているのは、種や生態系、そして実にたくさんの人々が脅威にさらされるような破壊を引き起こさないように、人間が、被造世界と一体化した一部として、 他の被造物との健全な関係のうちに生きるべきであるということが、神の御心なので す。」

 来年9月11日に南アフリカのヨハネスブルクで開かれる「持続可能な開発に関する世界サミット」(通称リオ+10)に向け、実践的報告を視野に入れて、日本の市民団体もすでに動き始めています。宗教者たちの一日も早い取り組みが期待されます。