日常雑記
2001年10月


10月29日(月)
 大宮へ。「さいたま市の学校給食はどうなっていくの?」主催は食と子どもの 会。3市合併したさいたま市の学校給食は、自校式が弁当箱と食缶配食の2種、 それにセンター式があり、食器もアルマイト、ポリプロピレン、ポリカーボネー ト、強化磁器と何種類も。これを自校式にチェンジしていく予定。食器について は未検討ながら、できれば統一したいとのこと。鶴ヶ島は区画整理に合わせて老 朽化しているセンターを建て直さなければならないんですが、このチャンスに自 校式にしてほしいと運動中。

 大宮から帰って、マイバッグ検討委員会の商店街探索に参加。この時期、クリ スマスまではヒマなんですって。100円ショップは結構賑わってましたけど。

10月28日(日)
 市長選挙と市議補選投票日。予想通り低い投票率。新人候補は予想外の善戦。 現職市長は328票差で辛勝。4年前の市民パワーを再現できませんでしたねぇ。現 職を推してるような振りをして、新人候補を推していたという議員のうわさもあ り、選挙って一筋縄ではいかないんですねぇ。
 市議補選では3人の女性候補が予想通り共倒れ。3人併せて11,000票を上回っ てるんですから、1人に絞れば当選候補の7,544票に勝てたのにね。

10月27日(土)
 丹野さんの車に乗せてもらって「やまむすべ展」を駆け足で見てきました。「 やまむすべと出会ったのは3年前。大晦日を数日後に控えた高麗神社の神楽殿。 寒いさむい晩でした。あの人たちはどこから来てどこへ行こうとしているのかし らって、やけに気になる存在なんですよね。8年間のまとめだということなので、 これは見逃せないと思って出かけました。
 本当はご馳走も出る夜の「むすびのうたげ」が良かったんですが、選挙戦最後 の晩の一働きもあるし、展示を見るだけにしました。
 写真、人形、陶器、書、絵、など、おかしげなものがいっぱい。ポリトライブ 〜オセアニアサークルの仲間のオンピトこと金子昭一さんの作品もなかなかおも しろかった。

10月26日(金)
   国際福祉機器展をのぞいてきました。兼ねて気にしていた「介護支援情報シス テム」について少しばかり情報を仕入れることができました。
 一人暮らしのお年寄りの家にセンサーを取り付けて、異常があれば、ヘルパー なり家族なりに知らせるというものなんです。24時間の行動がわかるというすぐ れ者。
 無線機内蔵の湯沸かしポットというのもあってビックリ。こちらは、さりげな く日常生活のリズムを知って、正常か異常か察知するというものなんですが、夏 は使わないんじゃないかなって、ちょっと疑問。
 こうしたシステムは、これからウンと普及しそう。IT時代にふさわしく、人 にあまり構って貰いたくない人にはいいかもね。

10月24日(水)
 リサイクル都市づくり市民の会資源リサイクル部会から帰ってきたら、1年生 のひいくんが生協に共同購入品を取りに行ってるからみてやってってママに言わ れて、早速お迎えに。
 重くて往生してるのではないかと心配して行ったら、荷物をケヤキの根方に置 いて、ドングリを拾ってました。「半分持とうか」って声かけたら「ママがね、 熱出してるから、オレが生協行って来たんだよ」って、それはそれは得意そう。 家に着いたら、「ドライアイスもらってきたよ」って弟のたあちゃんを呼んで、 ボールに張った水の中にいれてモクモク蒸気を出して、キャァキャァ大騒ぎ。
 水に手をいれて「つめてぇ」って引っ込めたり、蒸気をフウフウ吹いたり、蒸 気を追っかけたり、蒸気を手ですくって身体に浴びたり、ひとかけのドライアイ スは、いつも子どもたちを楽しませてくれます。
 学童保育の仕事をしていた頃も、やっぱり共同購入品についてくるドライアイ スで、よく子どもたちと遊びましたっけ。勢いよく出てくる蒸気に歓声をあげ、 勢いが衰えてくると「水足して、はやく、はやく」と大声あげ、不思議を見つめ、 瞳輝かせる子どもたちは、生きいきとして、幸せそのもの。

10月23日(火)
 ご縁があって、山本さんにピアノの手ほどき。山本さんは病気で目が見えなく なって、夫さんがサポートしています。先日お目にかかって、練習の方向性だけ お話したんですが、とても意欲的でこちらが圧倒されそう。穏やかな笑顔で妻を サポートする夫の姿にも感動。

10月20日(土)
 高名なピアノ調律師村上輝久氏の「いい音ってなんだろう」を読む。ちょうど 私が音楽雑誌の仕事をしていた頃の話がふんだんに出てきて、懐かしい状況がた くさん思い出されました。鶴ヶ島にも彼の弟子がいて、いい仕事をしています。
 ドキドキと興奮を覚えたり、飛び上がるほど喜んだり、ただただ感激、驚き、 緊張…、こんなことばが随所に現れてるんです。すごいロマンティストなんです が、何にでも挑戦する仕事人でもあるんです。整調・整音・調律が三位一体でい い音を作り出すことや、調律あっての演奏ということも改めてかみしめました。   
10月19日(金)
 きょうはママの休暇。「フランス王家3人の貴婦人の物語展」を見に新宿へ。 展覧会などに行くのは、もしかして結婚以来始めて? おばちゃんが子どもたち の面倒を見るとか何とか言っていた娘さん、午後4時起床! 孫の面倒を見るの がおばあちゃんの一日仕事となりました。
 おみやげはバラの絵の美しいファイル。

10月18日(木)
 「テロ対策特別措置法案」衆院通過しちゃいましたね。「テロにも、報復戦争 にも、参戦法案にも反対! 国会前緊急共同行動」にかけつけたのに…。体調悪 いし、雨は降るし、寒いし、どうしようかなって思ったんだけど、きのう、アメ リカの軍・産・議会複合体なんて話聞いたばっかりだし、ここは一つ一般市民の 意思表示ってものも必要だよねって、出かけたんだけど。
 衆議院議員面会所に着いたら、もう、人、人、人であふれかえっていました。 マイク使えないので、後ろまで声は聞こえないし、どの国会議員が話しているの かもわからなかったけれど、おしまいの方でVAWW-NETジャパンの松井やよりさん が話しているのが、かろうじてわかりました。
 国会議員に法案に反対してねってお願いしたあとは、ほんとはみんなで手をつ ないで「人間のくさり」で国会を取り囲もうって計画だったんだけど、それがで きないので、参議院議員面会所まで、歩いて行くことになり、外に出ました。
 話は良く聞こえなかったし、「くさり」もできないし、せっかく来たのにつま らないなって思って、駅で電車を待ってる間に書きなぐった「平和」って書いた 紙を傘のてっぺんにくっつけてみました。そうすると、なんと警備のお兄さんが、 はずせっていうんですよ。「はずさないならここから先には行かせない」んです って。「どうして?」って聞いたら「ノボリ旗は禁止です」っていうので、20セ ンチ四方の紙はノボリ旗かなぁって思って「これノボリ旗じゃないでしょ」「規 則です」「なんていう規則ですか」「デモじゃないので禁止です」「デモならど うしていいんですか」「規則です」なんて押し問答していたら、ちょっと年上の 警備さんが来て「請願行動では禁止です」って、結局まともな答えになってませ ん。根拠になる規則は何かって聞いてるのにね。
 「もう一度聞きますが、なんという規則ですか」。いまや警備のお兄さん空を 向いてダンマリ戦術。「あなたは警官ですか」やっぱりダンマリ。
 押し問答くりかえしているのも芸がないので、紙をはずして先へすすみました。 2メートル置きくらいに警備さんがズラーッと立っています。歩道の半分は一般 通行者のために確保している格好です。そこで別のお兄さんに聞いてみました。 「あなたは警官ですか」「はい、そうです」。答えられるんじゃない!「どこの 警察署ですか」「あ、機動隊です」「どこの機動隊ですか。第一とか第二とかあ るんでしょ」。こいつと関わっていたら面倒になると思ったのか、またまたダン マリ。やあね。せっかく国民の請願権を保障しているんですから、いろいろ教え てくれればいいのに。そうすれば、体調悪い中、雨の中、寒いのに参加したおか げで勉強にもなるってものですよ。
 請願行動した私たちは宗教関係とNGOなどの市民グループですが、道路をは さんで向かいにある議員会館側には、労組関係の方々がノボリ旗立ててシュプレ ヒコールを繰り返してました。あちらは「デモ」。「デモと請願」の違いについ て警備さんに聞いてみました。デモは「集団示威行動」で、「届け出」が必要な んだそうです。マイクも使えるんですね。そうか、だから私たちのグループはマ イク使えなかったんだ。
 今回は自分の不勉強ぶりを知らされました。調べなくっちゃ。

10月17日(水)
 きょうは、遠方へ出かける一日となりました。鶴ヶ島市リサイクル都市づくり 市民の会の第12回環境・リサイクル施設見学会に参加。行き先は千葉県。川崎製 鉄千葉製鉄所「ごみ処理のガス化溶融炉施設」と市原エコセメント。
 どちらも日本で始めての施設だそうですが、さすが大企業だけあって、行き届 いた近代的な施設でした。とても大型の施設で、24時間稼働ということですから、 これを都市圏の地方自治体で設置できるかというと、ウームとうなってしまいま す。
 でも、この会社は産廃処理をしているんですから、最終処分場にも困っている ことだし、一定の条件が整えば、いいかも。それと、ダイオキシンの固まりのよ うな飛灰も安全に処理できるというのは魅力です。

 エコセメント工場見学のあと、見学のグループと別れて渋谷へ。いったん鶴ヶ 島へ戻って出直した方が安上がりなんですけど、ちょっと時間がたりないので、 別行動をとることにしました。その結果、ちょっと早く着きすぎて、ちょっと散 財しちゃったかな。
   「武器の国際取引禁止をめざす連続講座第2回─国際兵器市場と日本」がきょ うのテーマ。講師は早稲田大学政経学部政治学科教授・山本武彦先生。かなりの 早口で、聞き慣れない単語が矢継ぎ早に繰り出されるので、往生しました。でも、 論旨明快で、小気味よかったです。
   小田実さんも早口なんですよね。事情に精通していて、平和の伝道者みたいな 方ですから、どうしても早口になってしまうのかもしれないわね。
   アメリカの武器輸出は世界第1位。軍事産業からの議員への献金は巨額。アメ リカは軍・産・議会複合体を維持するためにダブルスタンダードもものかは、武 器を供与しておいて、その武器が別の国に売られていくとそこを攻撃したり、宣 戦布告せずに攻撃するという国際法を犯すことをやってきたんですね。こうした アメリカを利用するしたたかなロシアとか、フランスとか、ロシアと取引するマ レーシアとか、ま、国際政治は複雑怪奇。
   日本の基地はアメリカにとって必要不可欠なものなんですから、おじけないで、 日本はもっと毅然と平和への道を説く役割を果たすべきですよ。
   資料の一つにちょっとビックリ。ストックホルム平和研究所の年鑑からの引用 で、日本に炭そ菌がバラまかれたらどうなるかという図があったこと。

10月16日(火)
 坂戸地区消費者団体懇談会に久しぶりに参加。なんか、ヒマにまかせてあっち もこっちもって感じなんだけど、ま、いっか。
 埼玉県消費生活支援センター川越管内の坂戸地区3市2町の行政と消費者団体 の年に1回の懇談会。地域講演会は、来年度何にしますか、という相談なんです が、それぞれ勝手なことを言って、あとで職員がまとめるんですね。もう一つは 消費生活相談・苦情処理の状況説明。これは7月の西部地区消費者団体交流会で 聞いたのとおんなじ内容。こちらの方は川越管内5地区の消費者団体が世話人会 を編成して、職員がまとめるんじゃなくて、自立した活動を行っている団体なん だけど、所長ご挨拶として同じような話が出てきちゃうんですねぇ。
 かつてはゴミ問題やら環境問題は消費生活の問題じゃないって大論争になった こともあるらしいんですが、きょうは話題がグリーンコンシューマーに集約され ていきましたから、Time is change ですねぇ。
 グリーンコンシューマーなんて言葉、この春赴任して始めて聞いたっていう県 の職員の言葉を受けて、鶴ヶ島の職員は、だいぶ前に広報でグリーンコンシュー マーのモニターを公募したけれど、10人の枠が埋まらなかったという報告をしま した。事業をするとき、選んだ課題が新しすぎたりして人が集まってくれなけれ ば批判受けるし、新しい問題に取り組んでいかなければマンネリに陥るし、課題 選びって、結構難しいんですよね。
 オッペ川生活環境学舎の辻さんから「国等による環境物品等の調達の促進に関 する法律」が『グリーン調達法』と言われるもので、今や避けて通れない問題だ っていう指摘もありましたし、反応が薄かった頃から2〜3年たっているので、 ここいらで勝負に出てもいいと思うんですがね。
 それにしても法律の名称、なんとかならないものでしょうか。

10月14日(日)
 パプアニューギニアのものを中心としたオセアニア造形美術品に魅せられた人 々の集まり「ポリトライブ」の本日の会議はラブリーでした。
 出席者の半数が美大系の若者達。美術館職員だったという新顔も。その上パプ アニューギニアの教育メディアセンターで教育番組制作に携わっている伊藤明憲 さんが鶴ヶ島に立ち寄るという幸運も。
 そこへ、なんと! 品川市長が現れました。
 この時ぞとばかり、オセアニア造形美術品との出会いから生まれた、年齢を越 え、地域を越え、国を越えた、いろんな人々とのつながり、そうした人々によっ て行われた活動の数々を、市長に直接アピールして、反応やいかにと一同市長を 注視。
 八坂圭さんの情熱的な訴え…  「ジェネレーション・ギャップとか地域格差が心配されているでしょ。でも、 草の根の暖かーい人類の輪を作ってくれているのが、鶴ヶ島のパプアニューギニ アのコレクションなんですよ。せっかく作ったタネ火を消さないで保存していっ てくださいね。」
 パプアニューギニアの女性と結婚している伊藤明憲さんの物静かな訴え…  「パプアニューギニアでは、土があり、裸足で歩いてもお父さんお母さんに叱 られないし、自然が一杯あって、日本より一層地球に生きてるって実感できるん ですね。第2小学校の子どもたちは、そこの人と一緒に歌ったり、足踏みしたり、 した中からいいつながりを作っていけるでしょうし、自然とつながっていけるん じゃないかと思いますね。
 海外の都市と交流しようということで姉妹都市提携しますよね。そういう場合 有名都市が多いんじゃないでしょうか。パプアニューギニアと交流できた鶴ヶ島 は幸運な市だと思いますね。人と人とのつながり、自然との交流をふくらませて いってほしいです。」
 八坂さんが続けます…
 「あいあいフェスティバルで踊りと歌を披露してくれたパプアニューギニアの 方々の一人は学校の校長さんなんですよ。『ぼくたちの文化の基本はexchangeで す。ぼくたちの文化を伝えにきたんですが、今度は日本から何か伝えてほしい』 って言われたんです。たぶん、日本の教師がパプアニューギニアを訪問すること を望んだんだと思うんですが、それができないとするなら何ができるかって考え て、子どもたちの感想文や絵を送ることにしたんです。とても価値あるexchange の一歩です。これこそ、本当の学びですよ。」
 と、まあ、このあと、具体的なアイディアもいろいろ出てきて、ワクワクしま したが、中身はナイショ。  市長は「文化は地域から生まれるもの。日本はいろんな文化交流の中から独自 の文化を作り上げてきたが、ポリネシア、ミクロネシアに残っている純粋な文化 は生きる者が作り上げた原点と思う。それぞれの民族が作り上げた歌、踊り等、 すべてを文化として認め受け容れていくことが地球市民としての役割。排除の理 論からは戦争しか生まれない。すべての生物はこの地球上で共存していかなくて はならない。自然を残す努力はしていきたい。水際の文化を子どもたちのために 取り戻したい。菜の花、レンゲ畑、春の小川を残したい」と、その文化観を披露 して、ちょっと株をあげたかな。
 ところで、日本美術が担当だったという、元美術館勤務の有田さんにオセアニ ア造形美術品について感想を聞いてみました。
 「神、歴史上の人物、精霊等を表現していて、こわかったり、暖かだったり、 コミカルだったり、能・狂言と似ていると思いました」

10月13日(土)
 富士見公民館まつり「発見! 公民館ろ・ま・ん」に参加。古手まり、絵手紙、 陶芸、デコパージュ等に混ざって、鶴ヶ島市学校給食を考える会として、「家庭 にひそむ危険な化学物質」というタイトルのパッチワーク作品を展示。
8月に文京シビックセンターで開催された「良心的軍事拒否国家実現に向け― 日米独8月市民交流─」には、日本国憲法前文と9条をパッチワークで表現した 見事な作品が展示されていました。サイズ指定して、全国から募ったものをつな ぎ合わせたものだそうです。昨年は英文でしたが、さらに韓国語などに挑戦して いくということでした。思いが届いて、憲法9条生き延びてほしい。
   私たちのパッチワークも、いろんな人の手を経て今の形になってきたもの。手 の技を通して直接問題提起をしていけるというのはちょっとした「発見」でした。

10月12日(金)
 富士見公民館まつりの展示準備で、赤ちゃん連れたお母さんと私の女二人では パネル1枚設置できず往生しました。でも、陶芸サークルの後藤さんたち年配の 男性が手伝ってくださって、無事設置。この協力が嬉しいわね。おまけにチョコ レートまで貰っちゃって。
 まつり準備で、同じ時間帯に入っていたマイバッグ検討委員会には遅刻。マイ バッグPRチラシに協力店のハンコを押して貰って、20点(仮)になったら特製 バッグをプレゼントっていう案が浮上してきました。
 次回は市内商店探訪。レジ袋の使用実態をこの目で確かめなくては、ね。

10月11日(木)
 マフディ・エルマンジュラ講演会をのぞきに。モロッコの知識人。“知識人” って言葉、久々に耳にしました。「新たな戦争」か、第二次文明戦争か─イスラ ム世界から「報復戦争」を考える─ この演題のせいか、関係者一同必死で宣伝 したからか、はたまた恐ろしげな報復戦争の故か、とにかく会場、ギッシリの聴 衆。85人が適正人数という部屋に200人以上の人が押し掛けたのですから、暑い こと暑いこと。追加された椅子を確保できて、立ち見にならずに済みました。
 以下、先生の講演で印象に残ったこと─
 著書「第一次文明戦争」がハンチントンの「文明の衝突」と並べて論じられる ことが多いが、立場は全く違う。ハンチントンの著書のサブタイトル「世界秩序 を再構築する」に注目してほしい。世界を創ったのは神だ。誰が神のような権限 をこの人たちに与えたのだろうか。私のアプローチは、どうやったら文明戦争を 避けられるかが論点になっている。
 彼はまた「孤独な大国アメリカ」という論文を書いている。主要な国際関係上 の問題を解決するためには単一的な国家がその他の国々と協力していくことが必 要であり、アメリカは軍事、経済、外交、イデオロギー、文化、その他あらゆる 面で世界中のあらゆる地域で実現していける潜在的能力を持った国であるとの論 旨で、誠に傲慢な考えだ。
 世界が一元的支配になったとき、一元的支配の力を持った者がまず押しつける のは「ことば」である。力を持った者が「時計」を「ストッキング」であると言 えばそうなってしまう。今グローバリゼーションということが言われているが、 マクドナルドを食べたり、朝シリアルコーンを食べたりしてアメリカニゼーショ ンを行っていくことがグローバリゼーションということばを通じて拡がっている。
 ナチのゲッペルスはデマゴギーを広める時は一つことばを30分に1回繰り返せ、 画像も繰り返せ、そうすれば、やがて画像を見ただけでことばが出るようになる だろう、と言った。今メディアによって「テロリスト」とか「モスレムの脅威」 ということばがイメージとして語られている。
 平和を構築している要素は、1.対話、2.文明、3.平和である。我々はどうやっ て文明間の対話を通じて平和を達成できるか、この対話を通じて文明発展に貢献 していけるか、それが問題である。
 人間は違った価値観を持って生きている以上、戦争は不可避だという人々がい るが、そうは思わない。私はガンジー主義だ。重要なことは命を重んじるという こと。どの宗教も死ねば天に召されると言っている。ニューヨークで多くの命が 亡くなったとき、すぐに電報を打った。どの人種が死んだかは問題ではなかった。 ボスニアで生き埋めになった、イスラエルで罪のない子どもたちが毎日殺されて る、スロベニアでも人々が亡くなっている。すべての亡くなった人々におくやみ を表明してきた。
 力のある人々が世界を一つにしようとしているが、そこには当然不均衡が生じ る。マハトマ・ガンジーのことば「あらゆる文化が私の家の中を飛び交うことを 望む。しかし、そのために私が吹きとばされることは望まない」
 家に帰ってNEWS23を見ていたら、エルマンジュラさんのさっきの講演の 「グローバリゼーションと言っているが、アメリカニゼーションではないのか」 というくだりが映っていました。

10月10日(水)
 NCC平和・核問題委員会。きのう、おととい、何通ものFAXに往生してまし たが、どの集会にでたらいいか、委員会では、どれもこれも「おすすめ」とか「 絶対に」とか言われて、ますます混乱。アメリカのアフガン爆撃への反対やら学 習会、うちに来たものも含めて委員長が調べたところでは21日までに20件以上。 交通費考えただけで頭が痛くなりそ。
 アメリカでは90%以上の人がアフガン爆撃を支持してるって報道されてるんで すが、CNNは大本営発表みたいなものだから信用できないって口々に。だって、 反対してる人たちの活動伝わってきてるのに、ぜんぜん報道されてないもんね。
 爆撃しながら一方で食べ物を投下なんて、随分馬鹿にした話の上、一般の人の 住んでないところに食べ物バラ撒いてどうすんのさ、というわけで、「爆弾では なくパンを」のキャンペーンを張ることに決定。キリスト教はキリスト教でも、 アフガニスタンやパキスタンの人々との交流実績のあるACT通じての救援を考 えています。

 川田悦子参議院議員が「戦争終結を求める」48時間座り込みに支援をとの声に 応えず、足は銀座に。川田さんごめんね。
   すごい雨だし、銀座の日辰画廊で「小野なな展」見て、急いで帰ってきました。 木の皮でできた祠のような中にニョキニョキと萌え出る草のような、ヨシダ先生 いうところの毛髪状の原生林があって、卵が置かれている、木製の立体作品数点。 ダイナミックであふれるような生命力をいただいてきました。
10月9日(火)
 1年以上ほうってあったピアノの調律を頼みました。蜂の巣保育園の「食」を テーマにしたおたよりを携えて来てくれました。1週間前のプロジェクトX「リ ヒテルが愛した執念のピアノ」も話題になり、クローズアップされていた調律師 村上輝久さんの著書も拝借しました。
 朝寝坊して、ピアノにホコリためたままでちょっと恥ずかしかったけど、調律 よりも長ーい会話を楽しんでしまいました。心の調律までしてもらったみたい。

10月7日(日)
 チャイルドライン電話の受け手養成講座が新しく始まりました。全8回休まな いようにというのですから、なかなか難儀ですが、頑張ってみることに。
 講師は子ども虐待防止センターの広岡智子さん。
 まず、子育て常識の間違いの指摘から。近頃「子どもが切れるのは甘やかして 育てるから」「もっと厳しいしつけが必要」とよくいわれるんですが、先生の相 談の実践や日弁連のアンケート結果から見れば、厳しくしつけられた子どもこそ 非行に走り、親になって虐待をしてるっていうんです。
 そういえば、ハイソぶってる方のお子さんが悪さして「宅の子に限ってそんな ことございません」っていう例、鶴ヶ島でもしばしば。
   もう一つ「ふつう」であることの難しさを指摘されました。しつけの行き届い たいい親であろうとするあまり虐待に走るんですって。子どもってオモチャ片づ けないもの、子どもってわがままなもの、子どもってごうまんなもの、子どもっ てどん欲なもの…、子どもってそういう存在なんだって認められなくて、言うこ と聞かないからって叩いてしまう。エスカレートして殺してしまう。「ちょうど 良い加減」がわからないのも特徴ですって。これは生活の中で学び取っていくも ので、マニュアル化して教えることは不可能ということでした。例えば、転んで 膝をすりむいた時「いたいの いたいの とんでけぇ」といって泣いてる子をあ やしたり、手当をしてやったりするのはふつうの行為だと思うけれど、それがで きない親がいるんですね。泣いてる子をしかったり病院へ連れていくことしか思 いつかない。親自身が生育過程でそういうことを学び得ない環境に育っていて、 虐待に走ってしまう。
 それでね、解決策は「罪悪感をおろす」こと。ちゃんと食べないのも、お勉強できないのも、お片づけしないのも、すべて私のせいって悩まないこと。朝ごはん作りたくなかったらさぼればいい。でも子どもがおなかすかせてて可哀想って思ったらまた作ればいい。
 一つ感心したのは、「体力も精神力もいる仕事をなぜ続けていられるか」っていう質問への答え。「ヒマつぶしかなぁ。使命感あんまり持つとつらくなるでしょ。それと、人間がどうしてこんなことするんだろうか、って考えたり、相手が変わるの見るの面白いし…」とかいいながら「心と身体と頭とすべてを使う仕事。やりがいはありますよ。」それでもつらくて人様の話を聞くどこじゃない時もあって、そんな時は自己防衛で相談は休むんだそうです。本当はヒマつぶしなんかじゃないのね。

 夜は高麗神社へ。蛇喜猫賀のライブ。キンモクセイが香る境内。受付の和紙を張った灯りがステンドグラス風なんですが、柔らかい光を放っていて素敵。
 いつもと違って神楽殿から張り出してステージが設定され、ノビノビっとした感じ。このステージをつくったのは「The 3年2組」だそうで、笑っていまいました。4年生じゃない、5年生でもない、2年生はまだ。そして、優秀な子が集まる1組じゃなくて2組、っていう解説、このセンスたまんないわね。
 ライブは最高。昨年あたり、マンネリってひそやかに批判してたんですが、今夜のは気合いが入ってました。最近加わった女性歌手がまた最高。聞き慣れた歌も違った魅力を放ってました。
 子どもたちが走り回ってるのもよかった。夜、高麗神社で遊べる子どもは幸せだよね。この子たちは、まちがっても虐待する親になったりしないよね。

10月5日(金)
 NEWS23、途中から見ました。アメリカで起きたテロ以後行われた数々の音楽の場面が次々と画面に。一方、全米最大のラジオネット、クリア・チャンネルは「イマジン」はじめ150曲を放送自粛曲に指定。
 戦争が近づいたとき、メディアが音楽を規制したのは、これが始めてではないとの解説。ジョン・レノンの「平和をわれらに」は自粛。しかしホイットニー・ ヒューストンは国歌を熱唱し、人々は涙を流す。テロップが流れる「さまざまな意味で“歌の力とは何か”という問いを突きつけている」
 さて、画面は変わってアフガニスタンとパキスタンの国境地帯。歌い踊るワヒ 族。遊牧民族ワヒ族は100年以上前アフガニスタンを離れ、今はこの国境地帯で暮 らす。アフガンを支配するタリバンは宗教上の戒律から音楽を厳しく禁じたが、 歌と踊りはこの山間の村で生きている。
 テロップが流れる。「この山の向こうがアフガン“ワハン回廊”。ビンラディ ンが潜んでいると一部報道で伝えられた」。岩山以外何も見えない岩の上で男は歌い続ける。テロップ「この村も戦場になる日が来るのだろうか」
 オノヨーコの出したニューヨークタイムスの広告。真っ白な紙面の真ん中に Imagine all the peaple living life in peace の1行。ナレーション「予想以 上に彼女への逆風が強い中、今週ジョン・レノンへのトリビュート・ライブが行 われた」。ヨーコのメッセージLets create peace,create unity,create joy,and create light and imagine all the peaple living life in peace.「さあ平和、 結束、喜び、未来につながる光をつくり出しましょう。想像してください。すべ ての人が平和に暮らせることを」
 シンディ・ローパー & 坂本龍一の「ストロベリーフィールズ・フォーエヴァー」 が流れる。ヤランダ・アダムスが「イマジン」をゴスペル調で熱唱する。「パワ ー・トゥ・ザ・ピープル」を会場を埋めた人々が歌う中、ヨーコは退場していく。 「オノヨーコはきょう来日中止を発表」のテロップ。
 坂本龍一が番組に寄せたメール…
「筑紫さんへ お元気ですか。9月11日のテロ以来、もう長い時間がたってしまっ たような気がします。あのテロの日以来何かが変わっってしまったように感じま す。それは何かというと、人類は、とうとう「パンドラの箱」を開けてしまった のかという恐怖です。この後に待っているのは、抑制なしにあらゆる兵器を動員 しての報復合戦でしょうか。音楽に何ができるでしょう。音楽はただの慰めなん でしょうか。音楽の力を使って何かをなすべきなんでしょうか。いや、それでは アメリカが愛国心を鼓舞するために音楽を有効に用いているのと同じになってし まいます。音楽には、確かになんらかの力がある。それは何かの利益のためでも ない。なにかの社会的目的のためでもない。しかし、確かに音楽は私たちの硬直 した心に入り込み、それを溶かしてしまう力がある。」
 変わって鎌倉。佐野元春のライブ。「唯一の絶対的存在を俺はすっかり失望し てるんだ。でも別れ際に俺は言った。雨に濡れなきゃいいけどな。すると、あな たは、いや、そんなことはない、と言ったのも束の間、空の雲は裂け、俺は遠く 西側のどこかで、ビルが崩れていく音を聞いた」詩の朗読の終わりをドラムスが 引き受け、サックスのうなりが同時に響いた。
 続いて「光」THE LIGHT。ラップが流れていく「憎しみの鎖断ち切るまで この 祈りが届くように この祈りが届くように どんな小さな祈りでもいい…」
 筑紫さんの話「音楽って、僕はとっても強いもんだと思ってるんですね。それ から、その状況の中で、すぐれたアーティストがそれに反応していろんなものつ くってきた。その点でも非常に大きな力持ってんですが、使いようでもあるんで すね。「ウィ・シャル・オーヴァー・カム」っていうヴェトナム戦争時代のいわ ば反戦歌として歌われた歌がですね、今は逆の人たちが歌ったりするっていう、 音楽の持ってる力ってのは、ほんとに大きいだけに怖い部分も含んでると思いま すね。」
 だから表現の自由大切にね。
 怖さの故に権力は歌舞音曲を取り締まろうとしたり、逆に兵士を鼓舞する道具 として使ったりするんですね。悲しいのは、そうなると、人々が音楽を目の敵に して「非国民」のものさしに使ったりすることね。

10月2日(火)
 久々の健康診断。骨密度測定を申し込み。検査負担金200円也。東京の幡ヶ谷 のクロス病院健診センターの骨密度測定車がきていました。片腕で検査します。 骨密度測定が始まった頃、中野まで視察にいったことがあるんですが、当時は全 身検査でした。ずいぶん簡便に検査できるようになったものですねぇ。1時間で 40人ほど検査できると言ってました。
 結果が出るのは3週間後とか。ドキドキ。牛乳は最近あまり飲まないんですが、 多飲すると却って骨折しやすくなったり骨粗鬆症にかかりやすいんですって。マ グネシウムがないと吸収されにくいし、日本人は穀菜食民族で牛乳のタンパク質 を分解する酵素が少ないんだそうです。煮干しをかじったりはしてますが、どん な結果がでますかね。こないだの健康福祉まつりでもらってきた問診票を自分で 点数つけてみたら「専門医に診てもらいましょう」と出ました。やっぱり、ドキ ドキ。

 キ政連常任委員会の話題、やっぱりテロ。書記長はバベルの塔を想起したとい ってました。資本主義の粋を尽くして手段を選ばず金もうけをしている場所。暴 力が支配する神なき時代の悪の権化が崩れ去ったのだと。
 それでは、巻き込まれた無辜の民が可哀想ではないかという意見もでましたが、 こんどはソドムとゴモラを私は想起しました。正しい者を悪い者と一緒に滅ぼす のかと、アブラハムは神にとりなしをし、ロトは救われます。一緒に救われるは ずだった妻は神の使いの注意を聞かず後ろを振り返って塩の柱となってしまう、 あの物語です。
 ブッシュ大統領は敬虔なクリスチャンのような祈りの言葉を口にしていますが、 じつは南部バプテストのコチコチの保守派なんですって。だいたい、アメリカの カトリックは音無しの構えで、日本から何回もFAXしてても何の反応もないそう です。アメリカでもそろそろ冷静になって、報復戦争反対の声が挙がり始めてい るという報道もあるのに。

10月1日(月)
 チャイルドラインの「松元ヒロ・チャリティライブ」実行委員会に行こうと坂 戸駅に出たら、東上線は車輌故障でダイヤに乱れ。アメリカのテロ以来、こんな ことにもドキッとしてしまいます。明け方まで起きているのが常の「高柳家の娘」 さんは、珍しく早起きしたのに引っかかってしまって、結局いつものように夜中 に帰宅。バイトなものだから、こんなことがあると時間給も減っちゃうんですよ ね。
 ライブは県の後援もとれ、いよいよチケット販売へ。来年2月17日で、ずーっ と先なんですが、この日はリサイクル都市づくり市民の会の「なんでも討論会」 の日。弱ったなぁ。
 小手指で9月下旬にあったライブを見てきた方は、早速テロがとりあげられて いたと感心していました。テロをどのように扱ったのか、見てみたかったわね。 2月は戦争がテーマなんかにならないよう祈るばかり。


BACK